●成年後見制度を利用した場合、先日述べたパブリックな財産管理が行われます。
このパブリックな財産管理では、本人や本人の家族にとってのメリットとデメリットがあります。

●メリットとは。
・徹底して、本人の財産と権利が保全されます。本人名義のものは全て管理対象となります。
 具体的には、不動産、預金通帳、生命保険、株式等です。
・本人の財産は、基本的に本人の生活・療養等のためだけに使用します。
・本人が負担すべき家賃、病院費、施設費および税金等の支払いも行います。
・借金があれば、和解契約で分割払い等にします。
・他人に貸したお金があれば、回収します。
・入院時の手続、施設入所時の契約、賃貸借契約の更新等も行います。
・本人が不利、不要もしくは詐欺まがいの契約・申込をした場合、これらを取消します。独居のご高齢者の場合、テレビ通販や電話での勧誘販売に申込をしてしまうことが散見されます。こうした不要な契約も取り消します。
・成年後見人は、こうした財産管理および財産状況を年に1回家庭裁判所に報告します。司法書士の場合、家庭裁判所以外にリーガルサポートという公益財団法人に年2回報告します。
 こうして、「公的機関が関与」することによって「財産管理の透明性」が確保されます。